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エフェクトフィルムの種類、知っていますか?

エフェクトフィルムの種類、知っていますか?

「エフェクトフィルム」とひとことで言っても、実は中身はさまざまです。 薬品に浸けて化学反応を起こすもの。撮る前から、すでに光や色が焼き付けられているもの。フィルムを裏返しに詰めて、光の通り道そのものを変えてしまうもの。 普通のフィルムが「記録する」道具だとすれば、エフェクトフィルムは「化学反応や偶然を、写真に招き入れる」道具かもしれません。 今日は、代表的な5つのタイプを紹介します。どれも「同じ被写体を撮っても、二度と同じ写真にはならない」という共通点があります。 1. フィルムスープ(Film Soup) フィルムを、コーヒーやお酢、その他さまざまな液体に浸けてから撮影する、あるいは現像前に薬品処理を加える手法です。「スープ」という名前の通り、フィルムを"漬け込む"イメージに近いかもしれません。 浸ける液体や時間によって、色ムラ、シミのような模様、独特な粒状感が生まれます。同じレシピで作っても、仕上がりが毎回微妙に違う――そんな再現性のなさが、フィルムスープの魅力です。 薬品による化学的なアプローチをとるブランドとして、HANALOGITALやKONO Manufakturなどが知られています。 2. プリエクスポーズド(事前感光フィルム) 撮影する前から、フィルムにあらかじめ光や色のパターンが焼き付けられているタイプです。 自分が撮った被写体の上に、あらかじめ仕込まれた色の光や模様が重なって写り込みます。何が、どこに、どんな強さで重なるかは、現像するまでわかりません。 撮影時点ではまだ何も見えていない「仕込み」が、後から写真の中に立ち上がってくる感覚。revologは、このプリエクスポーズドのアプローチで知られるブランドです。 3. レッドスケール(Redscale) フィルムを裏返し(乳剤面と反対側から光が入る向き)に詰めて撮影する手法です。 光がフィルムのベース層を通ってから感光するため、赤みがかった独特の色調に仕上がります。夕暮れのような、あるいはノスタルジックな写真を撮りたいときに選ばれることが多い手法です。 4. クロスプロセス(Cross Process) 本来はポジフィルム(スライドフィルム)用の現像方法とは異なるプロセス(主にネガフィルム用のC-41)で現像する手法です。 本来の色とは異なる、彩度の高い、コントラストの強い発色になります。フィルムそのものの種類というより「現像のやり方」で効果を生み出すアプローチなので、現像ラボによって対応可否が分かれる点には注意が必要です。 5. 高感度・特殊粒状系 ここまでの4つが「色や模様の変化」を主な効果とするのに対し、こちらは感度(ISO)や粒状感そのものにこだわるタイプです。 暗いシーンでもブレを抑えつつ、フィルムらしい粒子感を残す高感度フィルムなどが該当します。当店で扱っているCANDIDOのラインナップは、この方向性のアプローチを取っているブランドです。 結局、どれを選べばいい?...

エフェクトフィルムの種類、知っていますか?

「エフェクトフィルム」とひとことで言っても、実は中身はさまざまです。 薬品に浸けて化学反応を起こすもの。撮る前から、すでに光や色が焼き付けられているもの。フィルムを裏返しに詰めて、光の通り道そのものを変えてしまうもの。 普通のフィルムが「記録する」道具だとすれば、エフェクトフィルムは「化学反応や偶然を、写真に招き入れる」道具かもしれません。 今日は、代表的な5つのタイプを紹介します。どれも「同じ被写体を撮っても、二度と同じ写真にはならない」という共通点があります。 1. フィルムスープ(Film Soup) フィルムを、コーヒーやお酢、その他さまざまな液体に浸けてから撮影する、あるいは現像前に薬品処理を加える手法です。「スープ」という名前の通り、フィルムを"漬け込む"イメージに近いかもしれません。 浸ける液体や時間によって、色ムラ、シミのような模様、独特な粒状感が生まれます。同じレシピで作っても、仕上がりが毎回微妙に違う――そんな再現性のなさが、フィルムスープの魅力です。 薬品による化学的なアプローチをとるブランドとして、HANALOGITALやKONO Manufakturなどが知られています。 2. プリエクスポーズド(事前感光フィルム) 撮影する前から、フィルムにあらかじめ光や色のパターンが焼き付けられているタイプです。 自分が撮った被写体の上に、あらかじめ仕込まれた色の光や模様が重なって写り込みます。何が、どこに、どんな強さで重なるかは、現像するまでわかりません。 撮影時点ではまだ何も見えていない「仕込み」が、後から写真の中に立ち上がってくる感覚。revologは、このプリエクスポーズドのアプローチで知られるブランドです。 3. レッドスケール(Redscale) フィルムを裏返し(乳剤面と反対側から光が入る向き)に詰めて撮影する手法です。 光がフィルムのベース層を通ってから感光するため、赤みがかった独特の色調に仕上がります。夕暮れのような、あるいはノスタルジックな写真を撮りたいときに選ばれることが多い手法です。 4. クロスプロセス(Cross Process) 本来はポジフィルム(スライドフィルム)用の現像方法とは異なるプロセス(主にネガフィルム用のC-41)で現像する手法です。 本来の色とは異なる、彩度の高い、コントラストの強い発色になります。フィルムそのものの種類というより「現像のやり方」で効果を生み出すアプローチなので、現像ラボによって対応可否が分かれる点には注意が必要です。 5. 高感度・特殊粒状系 ここまでの4つが「色や模様の変化」を主な効果とするのに対し、こちらは感度(ISO)や粒状感そのものにこだわるタイプです。 暗いシーンでもブレを抑えつつ、フィルムらしい粒子感を残す高感度フィルムなどが該当します。当店で扱っているCANDIDOのラインナップは、この方向性のアプローチを取っているブランドです。 結局、どれを選べばいい?...

シャッターを切ってから、写真に出会うまで

シャッターを切ってから、写真に出会うまで

デジタルは、撮った瞬間にわかる。 フィルムは、わからない。 その「わからなさ」こそが、フィルム写真の一番おもしろいところかもしれません。 今日は、1本のフィルムが「写真」になるまでの旅を、順番にたどってみます。 1. 撮る。24枚、あるいは36枚だけ。 フィルムカメラには、撮れる枚数に限りがあります。 だからこそ、1枚1枚に少しだけ、意識が向く。 "もうちょっと寄った方がいい?""この光、逃したらもう戻らないかもしれない。" 特にエフェクトフィルムは、普通のフィルムとは違う癖を持っています。 revologの「Kolor」なら、ランダムな色の光が写真に差し込む。CANDIDOの「800 Lowlight」なら、暗がりの中でも粒子感のある独特な質感が出る。 同じ被写体を撮っても、選ぶフィルムによって、まったく違う1本になる。 撮っているあいだは、実はまだ何もわかっていません。 わかるのは、ずっと先。 2. 現像に出す。ここから、待つ時間が始まる。 撮り終えたフィルムを、現像に出します。 店頭に持ち込むか、郵送するか。 郵送なら、フィルムをポストに投函してから、しばらく手元に何も残らない時間が続きます。 この「空白の時間」、実はけっこう好きだという声をよく聞きます。 撮った瞬間の記憶が、少しずつ輪郭を失っていく。 覚えているようで、細部はもう曖昧になっている。 現像から上がってくる写真は、その「曖昧になった記憶」と、答え合わせをするような感覚に近いかもしれません。 3. 受け取る。答え合わせの瞬間。 現像・スキャンが終わると、データや現物が手元に届きます。 ここでようやく、フィルムの中身と対面します。 思っていたより赤みが強かった。逆光のカットが、想像以上に幻想的に写っていた。1枚だけ、二重露光のようなミスショットが混ざっていた。 失敗も含めて、それが「そのフィルムでしか出せない色」だったりします。...

シャッターを切ってから、写真に出会うまで

デジタルは、撮った瞬間にわかる。 フィルムは、わからない。 その「わからなさ」こそが、フィルム写真の一番おもしろいところかもしれません。 今日は、1本のフィルムが「写真」になるまでの旅を、順番にたどってみます。 1. 撮る。24枚、あるいは36枚だけ。 フィルムカメラには、撮れる枚数に限りがあります。 だからこそ、1枚1枚に少しだけ、意識が向く。 "もうちょっと寄った方がいい?""この光、逃したらもう戻らないかもしれない。" 特にエフェクトフィルムは、普通のフィルムとは違う癖を持っています。 revologの「Kolor」なら、ランダムな色の光が写真に差し込む。CANDIDOの「800 Lowlight」なら、暗がりの中でも粒子感のある独特な質感が出る。 同じ被写体を撮っても、選ぶフィルムによって、まったく違う1本になる。 撮っているあいだは、実はまだ何もわかっていません。 わかるのは、ずっと先。 2. 現像に出す。ここから、待つ時間が始まる。 撮り終えたフィルムを、現像に出します。 店頭に持ち込むか、郵送するか。 郵送なら、フィルムをポストに投函してから、しばらく手元に何も残らない時間が続きます。 この「空白の時間」、実はけっこう好きだという声をよく聞きます。 撮った瞬間の記憶が、少しずつ輪郭を失っていく。 覚えているようで、細部はもう曖昧になっている。 現像から上がってくる写真は、その「曖昧になった記憶」と、答え合わせをするような感覚に近いかもしれません。 3. 受け取る。答え合わせの瞬間。 現像・スキャンが終わると、データや現物が手元に届きます。 ここでようやく、フィルムの中身と対面します。 思っていたより赤みが強かった。逆光のカットが、想像以上に幻想的に写っていた。1枚だけ、二重露光のようなミスショットが混ざっていた。 失敗も含めて、それが「そのフィルムでしか出せない色」だったりします。...