Film archive / CineStill

CineStill 800T

シネスチル800T

カラーネガ

CineStill 800Tは、タングステン光を想定した高感度のカラーネガフィルムです。メーカーはEI 800を撮影の基準として紹介し、少ない光量での人物や街の撮影などを用途に挙げています。静止画用のC-41処理に対応する製品です。[1]

別名・表記:シネスチル800T / CineStill 800T

「Cinestill 800Tungsten Xpro C-41 135 film cartridge (01).jpg」 — El Grafo

出典 · CC-BY-SA-4.0

El Grafo / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

変更:Wikimedia Commons配信の縮小版を使用。切り抜き・色調変更なし。

資料画像。現行の包装とは異なる場合があります。

このフィルムの物語

映画のフィルムを、いつもの写真店で現像するために

映画用のフィルムで、写真を撮りたい。CineStillの公式記録によると、800Tにつながる試みは、作り手自身がKodak VISION3を写真に使うところから始まりました。まだ製品になる前、長いフィルムを扱う機材と、映画用の現像所との関係を頼りに撮影していたといいます。[2]

そこで壁になったのが、撮った後の工程でした。映画用の現像は長いロールを前提としており、短い写真用フィルムを扱うには負担がありました。自分たちと同じように使いたいという声を受け、身近な35mmカメラに入れ、写真用の現像工程で仕上げられるようにする開発へ進みます。[2]

大きな課題は、フィルムの裏側にあるレムジェット層でした。映画用フィルムを保護するこの層は、一般的なカラーネガのC-41現像とは相性が合いません。撮影前に処理しようとしても、繊細な乳剤を傷めてしまう。公式の開発記録には、その問題を越えるために実験を重ねた経緯が残されています。[2]

800Tのベータテストが始まったのは、2012年後半です。CineStillは、映画用乳剤を写真の撮影・現像に適するよう加工することで、使う人が映画用の現像所に頼らずに済む道をつくろうとしました。[2]

800Tの背景をたどると、独特な写りの向こうに、フィルムを使うまでの距離を縮める仕事が見えてきます。映画の素材に惹かれた作り手たちが、カメラに装填してから現像を受け取るまでを考え直した。その工夫も、この一本が持つ物語の一部です。[2]

このフィルムの特徴

「T」はタングステン光の色温度を想定する区別です。昼光型の50D・400Dと光源の前提が異なるため、日中に使った場合の色は同じようにはなりません。[1]

明るい光源の周辺にハレーションが現れることがあります。夜景での光の広がりを楽しめる一方、赤い輪郭がいつでも同じ強さで現れるわけではありません。[1]

Sample photographs

このフィルムで撮影された写真

写りは撮影・現像・スキャン条件によって変わります。各写真の説明とあわせてご覧ください。

「Long Exposure at Night of a Road on Cinestill 800T.jpg」 — Arandomphotographer

出典 · CC-BY-4.0

Arandomphotographer / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons

変更:Wikimedia Commons配信の縮小版を使用。切り抜き・色調変更なし。

作例は撮影・現像・スキャン・提供元での編集の影響を含みます。条件により色調・粒状感は変わります。 提供元の記録に基づく作例です。

使用フィルムの記録

撮影と現像

C-41現像を依頼します。映画用フィルムのECN-2処理を名前から推測して選ばず、CineStill 800Tという製品名をラボへ伝えます。[1]

よくある質問

800TのTは何を示しますか?

タングステン光を想定した色のバランスを示します。昼光下の色を想定するD系の製品と区別されます。[1]

出典・参考資料

  1. CineStill 800T — 公式製品案内

    CineStill Film

    製品の種類・感度・規格・特徴・取り扱い。本文中[1]。

  2. About CineStill Film — The CineStill Story

    CineStill Film

    開発当時のVISION3使用、現像工程の課題、レムジェット対策、2012年後半のベータテスト